2019年06月 定例会 一般質問
那覇市議会 2019年06月 定例会での上原仙子の一般質問の内容です。詳しくは那覇市議会議事録をご覧下さい。
ハイタイ。皆様、おはようございます。なはのみらい、上原仙子です。
昨日発生した山形、新潟の大地震に見舞われた被災地の皆様に、まずはお見舞いを申し上げます。
それでは、一般質問を始めます。
市のホームページに、那覇市観光基本計画は平成27年度(2015年)から10年間の計画で5つの目指す方向性を掲げ、取り組みを展開するとあります。
この5つの方向性のうち、(3)資源、環境にやさしい那覇市の観光、(4)まちづくりと連携した那覇市の観光の2点に着目して質問をいたします。
昨年度、沖縄県の観光客数は999万9,000人、過去最高となり、今年度は1,030万人の目標値を掲げ、2021年度には1,200万人達成を目指しています。
国を挙げ、県を挙げ、観光振興策に取り組む中で、本市における直近3年間の観光客数の推移はどうなっているのかを伺います。
名嘉元裕経済観光部長。
お答えいたします。
本市における直近3年間の観光客数は、平成28年度が国内客598万1,552人、国外客178万5,490人、合計776万7,042人、平成29年度は国内客622万4,222人、国外客222万2,441人、合計844万6,663人、平成30年、これは暦年でございますが、国内客633万7,113人、国外客236万7,614人、合計870万4,727人となってございます。
上原仙子議員。
数年前に比べても観光客の著しい増加、特に外国人観光客が増えていることは、観光地である首里城やその周辺地域、国際通りなどの中心商店街を歩いてみるとよくわかりますし、観光地でなくとも、私たちの日々の暮らしの中で感じる場面は多々あります。
観光振興、経済効果という側面から見れば、観光客が増えることはもちろん喜ばしいことであり、沖縄を訪れてくれた観光客に対し感謝すべきことでありますが、一方でそれを受け入れる市民の生活環境や自然環境などへの影響はないのか、非常に気になるところです。
調べて見ると、海外においては既に観光公害、オーバーツーリズムによる影響を受け、入域そのものの制限や税の付加、立ち入り規制や罰則など、対応に迫られている観光地があります。
国内で言えば、京都市や鎌倉市などでは、騒音や混雑のために市民の静かな生活環境が乱されるということが多発し、地域住民の観光客疲れが指摘されているとのことであります。
この観光公害、オーバーツーリズムという言葉ですが、欧米では、ある観光地において自然環境、経済、社会文化にダメージを与えることなく、また観光客の満足度を下げることなく、一度に訪問できる最大の観光客数、これを超過した観光資源の過剰利用とその結果生じる問題現象を指すのが一般的とあります。
観光客の増加に伴って派生するいわゆる観光公害、オーバーツーリズムについて、本市はどのように捉えているのか、当局の見解を伺います。
名嘉元裕経済観光部長。
今月12日に観光庁が公表しました持続可能な観光先進国に向けての資料によりますと、現時点においては、他の主要観光国と比較しても、全国的傾向としてオーバーツーリズムは広く発生するには至っていないとの見解が示されております。
本市の現状につきましては、観光庁の判断基準に照らしますと、同様にオーバーツーリズムの状態にあるとは考えておりません。
しかしながら、急速なインバウンドの増加も一因とした、市内における貸し切りバスやレンタカーの増加に伴う交通渋滞、それからマナー違反などによる騒音の増加、トイレの不適切な利用、ごみの増加、不法投棄など、大きな問題として挙げられるかと考えております。
上原仙子議員。
今のご答弁でいきますと、国においても、そしてまたこの那覇市においても、まだまだオーバーツーリズムというほどではないけれども、本市の場合は、今おっしゃった渋滞であるとか、マナーの問題、ごみの問題といったことはあるということでありました。
昨日の奥間綾乃議員の質問にもありました屋台村の問題でありますが、これは騒音とにおい、私有地での排泄行為に迷惑しているという周りで暮らす住民の切実な声があります。
環境問題として担当課が対応していることはわかりましたが、そもそも商業地でありながら住宅が密接して混在するこの一帯に、ある時期から多くの観光客が訪れ、今れっきとした観光地になっている状況の中で発生した問題であります。
ほかにも民泊に対する苦情や、今おっしゃったような中心商店街のトイレ、朝のごみ問題、それから住宅地の中にレンタカーの営業所ができてしまったり、首里城周辺では路地に入り込むレンタカーに子どもたちの安全が脅かされています。
観光基本計画は、都市計画マスタープランや環境基本計画など、他の分野とも整合性を図っていくとあります。
そこをしっかりと取り組まなければ、今あちこちの地域の中でぽつぽつと湧いてくる問題が、やがて本市にとって大きな負担とならないか危惧しております。問題が起きてしまってからの個々の対症療法とならないように、根本的な取り組み、そして枠組みをつくっていただきたい。市民も地域も共生できる那覇の観光を目指していただきたいと考えますが、見解を伺います。
名嘉元裕経済観光部長。
観光振興の状況に関しましては、ご存じのとおりこれだけ進んできております。しかもすごい速いスピードであります。
それを受けまして、観光審議会ほうからもこのような形で、これまで27年に策定しました観光基本計画の改定等についてはどう考えるかというようなことが議論として挙げられたところでございます。
我がほうとしましても、都市マスでありますとか、中心市街地活性化基本計画でありますとか、そういう基本的なまちづくりの計画と合わせた形で、それから時代の流れにも沿った形で、観光基本計画に掲げる施策の方向性をまた見直す時期に来ているのかなというふうにして考えてございますので、今後審議会等の中でも議論を進めて、改定に向けて進めていきたいと考えているものでございます。
上原仙子議員。
ぜひ、よろしくお願いいたします。
ある市民の方が、観光は生活の切り売りなんだよねと言いました。非常に納得する言葉だなとも思ったんですけれども、なんともさびしい言葉だなと感じました。
ぜひ、それを覆すだけのものを目指していただきたいし、またそれを目指していきたいと思っています。
次に、関連しまして、本市におけるクルーズ船の寄港数の推移を伺います。
玉城義彦都市みらい部長。
那覇港におけるクルーズ船寄港数の推移は、平成28年は193回、平成29年は224回、それから平成30年は243回となっております。
上原仙子議員。
このクルーズ船も、先ほどの観光客数と同様に年々伸びているわけでありますが、クルーズ船の寄港についても、海外では以前から観光公害として問題になっているところ、それからもう既に対策を講じているところがあります。
国内においても、寄港数300を超えてナンバーワンの博多港を取り上げ、大気汚染の影響についての研究論文が書かれています。
クルーズ船から排出される大気汚染については、若狭バース周辺地域への影響を心配する市民からお話がありました。バースから道路を挟んで向こう側には公園があり、そして若狭小学校があります。風向きによってその汚れた空気が学校に流れていくのではないか、それを防ぐためには陸上の電源から電気を供給するといった施設整備が必要ではないかといったお話でありました。
クルーズ船は、発電所を搭載する洋上に浮くホテルリゾートと評され、7時間や8時間と停泊する間も、燃料を使って発電機を動かすためにガスを排出している。
若狭バースについて実際にどうなのかは、今のところ特に問題もないと捉えられているようでありますが、問題がなければないで、それはもちろん幸いなことだと思います。ただ、問題がないから何もしなくていいということではなく、今後クルーズ船の寄港が間違いなく増えていくことに対し、海外や国内の事例を調査研究して、何事も起きないように備えることは必要ではないでしょうか。
以上を提言して次の質問に移ります。
伝統工芸について質問いたします。
国や県が認定する伝統工芸品以外の本市の伝統工芸にはどのようなものがあり、どのような支援を行っているか伺います。
名嘉元裕経済観光部長。
お答えいたします。
国や県が認定する伝統工芸品以外の本市の伝統工芸については、小禄クンジー、クガニゼーク、芭蕉紙などが挙げられます。
本市の支援につきましては、平成25年度に小禄クンジー復元支援事業の実施や、昨年はクガニゼーク、芭蕉紙等の工芸品を紹介する企画展を伝統工芸館で開催するなど、市民、県民、観光客の皆様の認知度向上を図る取り組みを行ってきたところでございます。
上原仙子議員。
まずは、そういった取り組みに対し、市も非常に支援、協力をしているというところではお礼を申し上げたいと思います。
ただ、こういった国の伝統工芸品と認定されるにはハードルが非常に高いわけです。それが少し緩和されたのが都道府県による認定だと理解しています。
伝統工芸品として認定を受けると、国や県から保存、継承のための支援、人材育成のための支援などがあります。ますます力を入れて取り組む環境が整えられていくわけです。これは本市においても同様ではないかと思っております。
一方で、認定されていないものについては、皆さんが独自に努力を重ねるしかないというところで、継承、発展の道は大変厳しいものがあると言えるでしょう。
国や県が認定するように、本市の伝統工芸と言えるものについて、独自の制度を設け、認定や指定をするといったことはできないものでしょうか、見解を伺います。
名嘉元裕経済観光部長。
お答えします。
議員ご質問の那覇市独自の認定、認証制度につきましては、これまでも議会の中でも提案等をいただいたところでございます。
認証、認定制度につきましては、製品のブランド化を高め、類似する他の製品との差別化が図れるため、非常に有効な手段というふうに認識してございます。
制度の実施につきましては、それぞれ工芸品の歴史、制作工程、技術・技法、原材料など、一定の要件が満たされているかどうかとか、そういった専門的な判断も必要となるものと考えておりますので、他市の事例等も参考にしながら調査研究等を進めてまいりたいと考えております。
上原仙子議員。
ぜひ、お願いします。
那覇市の誇れる伝統工芸として、その保存、継承、発展が図れるよう、市としてできる支援をこれからも考えていただきますよう要望いたします。
次の質問ですが、今ご答弁いただいた中に、ウルククンジーがありました。あまりご存じない方もいらっしゃると思いますので、ここで簡単に紹介をさせていただきます。
ウルククンジーは、戦前に小禄地域で生産された織物です。細かい絣の技術が多く用いられた濃紺の藍染織物で、明治初期から昭和の初めごろまで量産されました。ウルククンジーのもとである小禄布が織られるようになったのは、1611年に儀間真常が木綿を普及させたことがきっかけといわれています。
各家庭に機織り機があり、1900年ごろまでは自家用として家族のために織っていたものが、やがて商品としての織物へと変わり量産するようになったそうですが、時代の変遷とともに次第に衰退し、第二次世界大戦によって焼失してしまいました。
小禄地域はもともと農村で、このクンジーは首里織や紅型のような華やかさはありませんが、素朴で優しさを醸し出す風合いと、丈夫でしっかりとした質感を持った織物です。
そのウルククンジーを復活させたのが現在のウルククンジー研究会です。平成18年度の小禄南公民館での講座をきっかけに研究会を発足し、戦争中も大事に守られ残された着物や反物の調査、研究、藍染の技法、織りの技法を学び、人材を育成しながら現在25、26人の会員で活動を続けています。
現在の活動拠点は、地域の方のご好意で取り壊し前の古いアパートを安く借りて活動し、会員の会費と展示会などで販売した小物の売り上げで、制作にかかる費用や運営費を賄っているとのことでした。
しかし、この場所もいつ取り壊しがあるのかといった不安もある中、やはり今一番の希望は、安定した作業場所がほしいとのことであります。保存、継承のための人材育成、復活から、さらに事業化を目指しての発展のために活動拠点はぜひとも必要です。
例えば小学校の敷地内はどうでしょうか。放課後の子どもの居場所としての機能も持ちながら、地域の歴史、文化、ものづくりを子どもたちが学ぶことができます。
例えば小禄支所の建て替えがあります。支所にはウルククンジーの展示スペースもできますが、敷地内に作業場を設置することはできないでしょうか。
改めて、ウルククンジーを本市の伝統文化、伝統工芸として保存、継承、発展させるための活動拠点の整備ができないか、見解を伺います。
名嘉元裕経済観光部長。
お答えします。
小禄クンジーの研究団体のほうから、活動拠点の必要性等についてのご要望についてはお聞きしているところではございますけども、小禄地域の伝統的な藍染織物である小禄クンジーの活動拠点の整備は、戦災等で途絶えた技術の復興、継承、産業化を図る上でとても重要であるとの認識でございます。
本市としましては、生産関係団体、研究会からの意見や要望を踏まえて、今後どのような支援が可能か、関係部署とも連携しながら対応してまいりたいと考えております。
上原仙子議員。
よろしくお願いします。
そういった可能性を探っていただいて、ぜひとも力になっていただきますようお願いいたします。
また、地域としても、これを支援、応援する形ができないか検討していきたいと思いますので、ぜひ一緒に取り組んでいただきますようお願いを申し上げます。
最後に、地域の応援の一つとして、きょうまで、地域にある金融機関のロビーでこのウルククンジーの展示が行われています。また、なはの日に合わせては、大型ショッピングセンターで展示と体験ができる催しがあるとのことですので、ぜひ皆様に足をお運びいただきたいとご案内を申し上げます。
以上で一般質問を終わります。ありがとうございました。